Quantum Education
For Future Technologies
量子技術教育プログラム:オンラインコース・サマースクール
なぜいま量子か?
量子力学が体系付けられてきてから既に100年以上の月日が経っている。 1800年代後半、その時には空想上のものですらなかった量子の効果が種々の実験に垣間見られるようになった。人類の歴史の中で量子が長らくその存在さえ知られていなかった理由として量子の持つ脆弱さがある。量子からの信号は、かつてノイズの中に埋もれ確認が困難であったが、装置や技術の向上に伴いゆっくりではあるが見ることができるようになってきた。この100年は人類にとって「量子の観測」の旅路だったとも言える。しかしその長い年月の後でさえ量子力学は未だに非自明であり、我々の直感ではなかなか理解しづらいことが多い。
近年量子技術は新たな展開を迎えている。見ることさえ難しかった量子は測定技術や周辺テクノロジーの発展により、「操作の対象」となってきた。量子コンピューター、量子シミュレーション、量子インターネット、量子センサーなどの応用はこれらの量子技術の成熟によって可能となってきており、これから10-30年という間に社会進出してくるのは間違いない。インターネットの創出によって世の中が変わったように、量子技術の社会進出は既存の概念や生活様式自体をも変えていくだろう。
また応用だけではなく、これらの量子操作技術こそ我々がまだ垣間見ていない量子の核心に迫ることを可能とし、未開拓の基礎物理の扉を開ける礎になるはずである。そのような意味で、我々はとてもエキサイティングな時代に生きている。情報、物理、工学などの融合が量子というキーワードで新たな装いをまとい、基礎から応用まで多くの変革を生むであろう時代である。
しかし様々な期待が世界的に高まる中、量子技術、また量子を取り巻くテクノロジーを扱う技術者の育成は明らかに遅れを取っている。これら社会を変革する量子技術をオンタイムで利用していくのは講師陣である我々ではなく、みなさん若者である。このプログラムを通して、過去に築かれた量子技術の習得とともに、今後の未来を開拓していく新たな知見を探していただきたい。
オンライン授業
量子技術に用いられる物理系には原子やイオン、光子、固体欠陥、超伝導回路など様々なものがあります。このコースワークではこういった多様な技術を量子情報科学という同じ視点で理解できるよう教材としてまとめました。基礎教材で身につける量子技術のヒケツも併せて、様々な量子系を紹介します。
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基礎ノート
量子情報技術では、量子力学がその礎となっていますが、その中でも頻繁に使われる概念やツールといったものが存在します。基礎ノートでは、それら量子情報技術に重要な量子力学の諸概念に焦点を当てながら、授業やサマースクール参加への素地を築くための教材を提供しています。
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参考文献
授業では様々なテーマで量子技術のハイライトをお見せしていますが、それらハイライトの裏には様々な理論的考察や巧みな量子操作などが裏方として頑張っています。それらを深堀りし、量子技術の目に見えない重要性を学べる文献が多く存在します。ここでは、そのような文献を量子技術のテーマ別に紹介します。
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