授業
本授業は量子技術における共通のことばを学び、様々な量子系の実験を横断的に理解できるようにしてあります。光や原子から固体欠陥や超伝導回路まで、様々な技術を紹介します。
また初めて勉強する分野では、多くの研究者も学術論文から学ぶわけではありません。教科書、参考書、博士論文、レビュー論文などは数ページの学術論文より圧倒的な量の詳細が書かれてあり、基礎から学習するために最も効率的なツールの1つです。各分野を代表する「わかりやすい」参考文献も紹介します。
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イントロダクション
量子コンピューター、量子シミュレーション、量子センサー、量子インターネット…
量子技術の世界へようこそ、まずはイントロ動画をどうぞ! -
光量子計算
常温・大気中動作や通信との相性の良さなど独特の利点を持つ光量子計算について、量子ビットと連続量という2つのアプローチを比較しながら紹介します。
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光量子通信
量子テレポーテーションに基づく光量子通信の基礎について、偏光量子ビット系での実装例を紹介しつつ解説します。
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イオントラップ
ポールトラップ中に捕獲されたイオンについて解説します。ポールトラップの動作原理、イオンのレーザー光による制御、量子ゲートの実装など。
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光原子時計
光格子時計の動作原理とその応用について解説します。
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冷却原子量子シミュレーション
冷却された原子気体を使って量子多体系を実験的にシミュレートする冷却原子量子シミュレーションについて解説します。
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浮揚電子
真空中に浮いている電子を用いて量子ビットを実現することを目標とする研究を紹介します。これからの発展が期待される物理系です。
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核磁気共鳴
様々な制御テクニックが培われたNMR量子コンピュータについて説明します。そのテクニックを生かした量子計測・センシングの研究も紹介します。
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固体中の量子欠陥
室温を含む幅広い温度範囲で動作可能な量子ビットとなる、ダイヤモンドなどの固体中の欠陥について解説し、さらに応用技術を紹介します。
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光制御量子ドット
フォトニック結晶との相性がよく、光量子計算との相補的な組み合わせが有望視される量子ドット中の励起子について紹介します。
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電気制御量子ドット
シリコンプロセス技術と相性のよい、電気的に制御された量子ドット中のスピン量子ビットについて紹介します。
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超伝導量子回路
集積化に適した実装方式として、超伝導体を用いた電気回路で量子コンピュータを構成する方法を紹介します。
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マヨラナ粒子
エニオンのブレーディングによって実現されると期待されているトポロジカル量子計算の研究について紹介します。
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ハイブリッド量子系
様々な量子系の長所を活かし、短所を補うハイブリッド量子系の魅力とその可能性・展望を紹介します。
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量子ソフトウェア
現存する小規模量子コンピュータの基礎科学の研究における応用法について紹介します。